木賊張り

竹垣は日本庭園を語る上で避けては通れない要素です。それだけで1冊の本になるほど多様なもので、創作的なものを含めるとその種類は数えきれません。

基本形は幾つかあります。建仁寺垣、御簾垣、四つ目垣などは日本庭園を好きな方ならば姿形が思い浮かぶでしょう。

そんな中で、木賊張りはちょっと変わっています。割竹を縦使いするところは建仁寺垣と同じですが、押縁とシュロ縄が見当たりません。竹は全て釘留めされます。

 

 

釘は丸釘の頭を玄能で潰して作ります。向きを揃えて等間隔で打ちつけることで整然とした美しさが生まれます。

ここでは足元に木曽石をあしらいました。これは葛石でも良いでしょうし、無くても良いでしょう。屋根は焼板だけですが、これも瓦を乗せたりといったバリエーションがあります。

竹の持つ質感を存分に味わえる上にモダンな雰囲気もあり、現代的な住宅との相性も良いように思います。個人的に好きな垣の一つです。

なお、竹垣全般に言えることですが、雨晒しの自然素材なので当然朽ちてきます。概ね10年くらい経過すると、作り替えようかな、となってきます。

自然素材が古びて朽ちていく姿は美しいものです。これが塩ビ素材の場合、色褪せて汚れるだけです。

同じように経年美化する自然素材が用いられている住宅とは相性抜群です。

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