株式会社エイト 庭園改修

株式会社エイトさんより、庭が荒れているのでなんとかしたいという依頼を受けました。

こちらには縁あって毎年手入れに伺っています。造園施工は他社の仕事なので詳しくは知りませんが、植栽後数十年は経過していそうです。

広大な面積を単一の植物で覆って、取り敢えず緑化してしまおうという方法がとられています。これは古い設計でよく見かけるものです。

採用されている植物はサツキとツツジ。そこにササやスギナが入り込んで景観が悪化しています。社員の皆さんが定期的に草取りをするのですが、隙間なく植えらてれいるので奥まで入れないのです。結果、植物を踏み潰してしまい枝枯れが拡大し、さらに景観を損ねています。そして多大な労力をかけて草取りをしても、1週間もすればまた草だらけ。これでは嫌になってしまいます。

 

<施工前>

ここまでササが入ってしまうとササだけ除去するのはほぼ不可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

<施工後>

サツキ部分は全て撤去、防草シート敷設の上ウッドチップ敷きとしました。

残したツツジ部分の管理がしやすいようにコンクリートで小径を作りました。高木メタセコイアの周囲は鉄平石コバ積み。

 

 

 

 

 

防草シートの効果は100%完全ではありません。施工上どうしてもわずかな隙間が発生し、そこから草が生えてきます。生えてきますが、僅かです。管理の手間は大幅に軽減します。完璧を求めるならコンクリートやアスファルトということになりますが、高コストですし景観上好ましくありません。

 

 

<施工前>

この一角も同じような状態です。せっかく広々とした緑地帯が設けられているのに、枯れかけた低木と草で荒涼としています。

 

 

 

 

 

 

 

<施工後>

傷んでいる木は全て撤去。鉄平石コバ積みのサークルを主体とし、コンクリートの小径で緑の中を散策できるように。

植栽密度を高めて気持ちの良い空間を作りました。

 

 

 

 

 

 

 

<施工前>

こちらは北側。ガラス張りの食堂から見える景色です。こんな景色を見ながらの食事では、美味しいものでもイマイチに感じそう。

そもそも、これだけ日当たりの悪い場所をサツキとツツジで緑化しようという設計に問題があります。

 

 

 

 

 

 

 

<施工後>

全体としての統一感が出るように、ここにも鉄平石コバ積みのサークルを作成。

犬走りが狭くて歩きにくいので大谷石で延長。

枯れ木は撤去、土部分は防草シートとウッドチップ敷き。

 

 

 

 

 

 

 

全体として、清潔感と管理のしやすさをメインに考えました。個人邸と違って面積が広いので、管理のしやすさというのは大事な要素になります。

改修前の庭では社員の皆さんで草取りをしても美しい景観にならないので、管理のモチベーションも上がらなかったことと思います。

これからは労力は大幅減、さらにやった分だけ綺麗になるので、以前よりも庭を好きになってもらえると思います。

気持ちの良い空間で気持ち良く仕事をする。職場環境改善に造園が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

 

 

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