バラに思う

今年は虫が多い。アブラムシが大量、毛虫の類もちらほら見かけるようになってきた。暖かくなるのが早かったから虫も前倒しで発生しているのでしょう。少々なら放っておいても大勢に影響はありませんが、大量発生してしまった場合は薬剤散布でコントロールする必要があります。

 

バラには手を出すまいと思っていた。いや、そこまで決意じみたものではないのだけど、なんとなく。

何しろ相手は数百年間に渡り人々を魅了し続けている、園芸植物の中でもトップクラスの大物なのだ。

安藤造園のお客様にも、その魅力に心奪われ、常軌を逸した熱意を持ってバラの庭を作り続けている方が幾人かいる。

 

だがしかし、自分がそうなってしまっては造園家として少々バランスを欠いているように思う。

僕の仕事はお客様のイメージを具現化することだ。そのイメージはさまざまで、和風庭園、イングリッシュガーデン、ナチュラルガーデン、和モダン、シンプルモダンなどなど、色々名前がついてカテゴライズされている。

そのどれか一つに突き抜けて特化するのではなく、全体を俯瞰しながら希望のテイストを取り入れる、そういうスタイルでいたいと思っている。

だからもしバラなんぞを植えてどハマりしてしまった場合、困ったことになってしまう。

 

まぁそんなわけでなんとなく避けてきたバラだけど、昨年自庭に初めて植えてみた。そして今年初めて咲いてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッシュウェンズディ クライミング 1955年ドイツ作出

その色に魅せられてしまった。シルバーグレーにピンクを混ぜたような深い色。大きさは程よい中輪。

咲き始めると景色が一変する。なるほどこれは魅力的だ。

実は今年、もう一株別の品種をお迎えした。更に、気がつくとインターネットで品定めをしている自分がいる。

これはマズイ。自制心を持って取り組もう。

 

2021/5/25 記